
日本株の数が多すぎて、どの企業から調べればよいか分からない
スクリーニング条件を設定しても、検索結果が多すぎる or ヒットしない
配当利回りやPERだけで銘柄を選んでも大丈夫?
このように迷っていませんか?
株式スクリーニングは、数多くの企業から、詳しく調べる候補を絞るための機能です。



ただし、条件を多く設定すれば、よい企業を自動的に見つけられるわけではありません。
条件を厳しくしすぎると候補がなくなり、数字だけでは判断できない企業の変化も見落とします。
そこで本記事では、マネックス証券を5年以上利用する元金融業界の筆者が、銘柄スカウターの「10年スクリーニング」を使って日本株を絞り込む手順を解説します。
初心者は、最初から多くの条件を設定せず、①長期業績、②財務、③株価・配当の順に条件を追加しましょう。
最初は売上高と営業利益の長期成長だけで検索し、候補が多ければ財務や株価指標を追加します。
スクリーニング結果は「買う銘柄」ではなく、「これから詳しく調べる候補」です。抽出後は、直近の決算と企業公式IRを必ず確認してください。
※本記事は、企業分析ツールの使い方に関する情報提供を目的としています。特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。スクリーニング結果は将来の運用成果を保証するものではなく、投資の最終判断はご自身で行ってください。
マネックス銘柄スカウターの10年スクリーニングとは
10年スクリーニングは、マネックス銘柄スカウターに搭載されている日本株の検索機能です。
市場や業種、時価総額などの基本条件に加え、過去の売上高・営業利益の成長率、利益率、財務、配当などから企業を絞り込めます。



一般的なスクリーニングが現在のPERや配当利回りを中心にするのに対し、10年スクリーニングでは長期業績を条件にできる点が特徴です。
- 長期の売上高成長率
- 長期の営業利益成長率
- 利益率の推移
- 自己資本比率などの財務指標
- PER・PBRなどの株価指標
- 配当利回りや株主還元
通常版では、設定した条件を「マイスクリーニング」として最大10種類保存できると、公式ヘルプに記載されています。
ただし、検索結果は投資候補を自動的に推奨するものではありません。
詳しく調べる企業を減らすための入口として使います。
一般的なスクリーニングとの違い
一般的なスクリーニングでも、PERやPBR、配当利回り、時価総額などを使って企業を絞り込めます。
銘柄スカウターの10年スクリーニングは、現在の株価指標だけでなく、長期の業績変化を条件にできる点が特徴です。
| 比較項目 | 一般的なスクリーニング | 10年スクリーニング |
|---|---|---|
| 現在の株価指標 | 確認できる | 確認できる |
| 長期の売上高成長 | 機能によって異なる | 条件として設定可能 |
| 長期の利益成長 | 機能によって異なる | 条件として設定可能 |
| 四半期業績 | 機能によって異なる | 条件として利用可能 |
| 条件の保存 | サービスによって異なる | マイスクリーニングへ保存可能 |
長期成長を条件にできるからといって、検索結果に表示された企業の将来性が保証されるわけではありません。
過去の業績は、今後も同じ成長が続くことを約束するものではないためです。
初心者が条件を入れすぎてはいけない理由
初心者が陥りやすいのは、最初から理想の条件をすべて入力することです。
たとえば、高成長・高配当・低PER・低PBR・高ROE・無借金などを同時に求めると、検索結果が極端に少なくなる可能性があります。
また、選択した条件項目のデータが存在しない企業は、検索対象から外れる場合があります。



スクリーニングでは「すべてを満たす企業」を探すより、重要な条件から段階的に追加する方が、企業ごとの特徴を比較しやすくなります。
ポイント
検索条件は、企業の優劣を決める採点表ではありません。詳しく調べる候補を減らすためのフィルターです。
10年スクリーニングの使い方
基本的な操作は、次の5ステップです。
ステップ1:銘柄スカウターを開く
マネックス証券の証券総合取引口座へログインし、銘柄スカウターを開きます。
銘柄スカウターの上部メニューから「10年スクリーニング」を選択します。
マネックス銘柄スカウターの基本的な使い方はこちら


ステップ2:基本条件を決める
基本条件では、市場・業種・時価総額・投資金額などを設定します。
- 市場
- 業種
- 時価総額
- 投資金額
- 決算月
- 株主優待
特定の業種を調べる目的がなければ、最初から業種を限定する必要はありません。



基本条件を細かく設定しすぎると、長期業績を見る前に候補が少なくなるためです。
ステップ3:長期業績の条件を追加する
次に、売上高と営業利益の長期成長に関する条件を追加します。
- 売上高の長期成長率
- 営業利益の長期成長率
- 営業利益率
- 会社予想の増収率
- 会社予想の増益率
初心者は、まず売上高と営業利益の2項目から始めると整理しやすくなります。



売上高だけでなく、営業利益も一緒に伸びているか確認するためです。
株初心者向けの10年業績の見方はこちら


ステップ4:検索結果を確認する
条件を設定したら、検索結果の件数と企業一覧を確認します。
- 候補が多すぎないか
- 結果が0件になっていないか
- 特定の業種に偏っていないか
- 想定していない企業が含まれていないか
- どの条件を追加したときに件数が減ったか
結果が多い場合は、財務や株価に関する条件を1つずつ追加します。
一度に複数の条件を追加すると、どの条件で企業が除外されたか分かりにくくなります。
ステップ5:条件を保存する
繰り返し利用する条件は、マイスクリーニングへ保存します。
条件名には、目的が分かる名称を付けると管理しやすくなります。
名称の例
- 長期増収・増益
- 財務安定
- 配当候補
- 同業他社比較
企業名ではなく、検索目的を条件名にするのがポイントです。
筆者が使う3段階の絞り込み方
私は、最初からすべての条件を入力せず、3段階に分けて候補を絞ります。
第1段階:長期業績
- 売上高の長期推移
- 営業利益の長期推移
- 営業利益率の推移
まず、企業の事業が長期的に拡大しているか確認します。
第2段階:財務
- 自己資本比率
- 営業キャッシュフロー
- 有利子負債
- 現金やネットキャッシュ
次に、事業を継続する財務面の安定性を確認します。
第3段階:株価と株主還元
- PER
- PBR
- 予想配当利回り
- 配当性向
最後に、現在の株価水準や配当を確認します。
この順番にすると、企業の成長性を確認する前に、配当利回りやPERだけで候補を選ぶ状態を避けやすくなります。
実践例①:長期的に成長している企業を探す
長期成長を確認する場合は、売上高と営業利益を中心に条件を設定します。
- 売上高の10年平均成長率:プラス
- 営業利益の10年平均成長率:プラス
- 会社予想売上高:増収
- 会社予想営業利益:増益
具体的な成長率の下限は、業種や検索目的によって変わります。
最初から高い成長率を設定せず、検索結果を見ながら調整します。
また、成長率が高く表示された場合でも、次の点には注意が必要です。
- 10年前の業績が極端に低くなかったか
- 買収によって売上高が増えていないか
- 赤字から黒字になり、成長率が大きく見えていないか
- 上場からの期間が短く、長期データが不足していないか
実践例②:財務が安定した企業を探す
長期業績で候補を絞った後、財務に関する条件を追加します。
- 自己資本比率
- 営業キャッシュフロー
- 有利子負債
- 流動比率
- ネットキャッシュ倍率
マネックス証券は、2026年5月の更新で「ネットキャッシュ倍率」を10年スクリーニングへ追加したと発表しています。



ネットキャッシュ倍率は、企業が持つ実質的な現金余力と時価総額の関係を見るための指標です。
ただし、自己資本比率や現金が多ければ、必ず成長性が高いとは限りません。
金融業などは一般事業会社と財務構造が異なるため、同じ基準で比較しないようにしましょう。
実践例③:配当株の候補を探す
配当株を探す場合でも、配当利回りだけで候補を選ばないようにします。
- 予想配当利回り
- 配当性向
- 年間配当の推移
- 営業キャッシュフロー
- 利益の長期推移
配当利回りが高く見える理由は、増配だけではありません。
業績悪化や減配懸念によって株価が下落し、見かけ上の配当利回りが高くなっている場合があります。
そのため、配当利回りに加えて、利益と営業キャッシュフローが安定しているか確認します。
検索結果がヒットしない(0件になった)ときの直し方
検索結果がヒットしない場合についてです。
設定した条件をすべて同時に満たす企業がない、または一部のデータが存在しない企業が除外されている可能性があります。
次の順番で条件を見直します。
- PER・PBRなど現在の株価条件を外す
- 配当利回りの下限を外す
- 成長率の基準を緩める
- 対象期間を見直す
- 業種や市場の指定を外す
私は株価や配当に関する条件から外し、長期業績の条件を最後まで残します。
企業の長期成長を確認することが、今回のスクリーニングの目的だからです。
何を優先して残すかは、スクリーニングの目的によって変わります。
抽出後に必ず確認する5項目
スクリーニングで企業を抽出した後は、次の5項目を確認します。
- 10年業績のグラフ
- 直近四半期の売上高と利益
- 会社予想と業績修正の履歴
- 営業キャッシュフロー
- 企業公式IRと決算説明資料
検索条件を満たしていても、直近の決算で業績が悪化している可能性があります。
決算の数字を見る順番は、次の記事で詳しく解説しています。
株の決算の見方|10年業績で確認する5項目


初心者が避けたい使い方
- 検索結果の上位をそのまま買う
- 配当利回りだけで企業を選ぶ
- PERが低いだけで割安と決める
- 異なる業種を同じ基準で比較する
- 直近の決算を確認しない
- 条件を後付けして特定銘柄を正当化する
- 検索結果を将来の値上がり保証と考える
スクリーニングは、入力した条件に一致する企業を表示するだけです。
条件自体が適切でなければ、投資目的に合わない企業が抽出される可能性があります。
10年スクリーニングに関するよくある質問
10年スクリーニングは無料ですか?
マネックス証券の通常版は、証券総合取引口座へログインして利用します。
口座開設前に利用できる銘柄スカウターライトの機能範囲については、最新の公式画面で確認してください。
銘柄スカウターライトと通常版の違いはこちら


スマートフォンでも使えますか?
スマートフォンからも利用できます。



ただし、複数の条件を設定・比較する場合は、PCの方が画面を確認しやすいと筆者は感じています。
何個くらい条件を設定すればよいですか?
一律の正解はありません。
最初は売上高と営業利益など、長期業績に関する少数の条件から始め、検索結果を見ながら追加します。
検索結果に出た企業は買ってもよいですか?
検索結果は買い推奨ではありません。
決算、公式IR、株価水準、事業リスクなどを確認し、自分で判断する必要があります。
設定した条件は保存できますか?
通常版では、マイスクリーニングとして条件を保存できます。
公式ヘルプでは、最大10種類保存できると記載されています。
まとめ:長期業績から段階的に条件を追加しよう
10年スクリーニングは、数多くの日本株から、詳しく調べる候補を絞るための機能です。
初心者は、次の順番で条件を追加しましょう。
- 売上高・営業利益などの長期業績
- 自己資本比率・営業キャッシュフローなどの財務
- PER・PBR・配当利回りなどの株価と還元
条件を入れすぎて結果が少なくなった場合は、株価や配当に関する条件から外し、検索の目的を見直します。
スクリーニング結果は、投資判断の結論ではありません。
抽出後に10年業績、直近四半期、会社予想、企業公式IRを確認してください。
マネックス銘柄スカウターの詳しい使い方を確認する


通常版の10年スクリーニングを利用したい人は、マネックス証券の口座開設方法も確認してください。





